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2017年7月13日更新

「死刑執行の停止、死刑廃止を求める声明」を発表

7月13日、法務省が死刑確定者2名の死刑を執行したことについて、真宗大谷派では同日付で、宗務総長名による宗派声明を発表しました。



死刑執行の停止、死刑廃止を求める声明

 
 7月13日、大阪拘置所で1名、広島拘置所で1名の死刑が執行されたことに対し、遺憾の意を表明します。
 私たちは、死刑が執行されるたびに「死刑執行の停止、死刑廃止を求める声明」を宗派として表明し、広く社会に対して死刑制度について論議していくことの大切さを呼びかけてまいりました。しかし、このたびも死刑が執行されたことは、誠に悲しいことであります。
 釈尊は、「すべての者は暴力におびえる。すべての生きものにとって生命は愛しい。己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」(『ブッダの真理のことば』)と教えられています。私たちは、たとえどのような罪を犯した人間、また未だ反省や悔悟の気持ちを表現することにいたらない人間であっても、それを排除することなく、かけがえのないいのちとして尊重することをとおして共に生き合える世界を、阿弥陀如来の本願として教えられています。私たちはその根源の願いに立って、一人ひとりの人間が、いのちの尊厳において見出される社会の実現を願うものであります。
 もちろん、かけがえのないいのちを奪う殺人という犯罪は、決して許されることではありません。被害者の方々の悲しみ、その心情は察するに余りあることは申すまでもありません。
 しかし、犯罪を起こした者のいのちを奪う死刑の執行は、法に基づくものであれ、国による殺人であることに変わりがなく、私たち人間が取り返しのつかない罪をさらに重ねることに他なりません。死刑の執行は、人間の抱える深い闇を自己に問うことなく、罪を犯した人を排除しただけであり、問題の解決には決してつながっていきません。それは、加害者の悔悟や反省の機会を奪い、私たちの社会が罪を犯した人の立ち直りを助けていく責任を放棄し、共に生きる世界を閉ざすことにつながります。
 死刑制度は被害者遺族を救う制度なのでしょうか。死刑の執行によって、被害者遺族の悲しみや怒りが本当に癒されるのでしょうか。私たちは、死刑に関する意見や立場の違いを認め、遺族の悲しみや思いに向き合いながら、この制度について論議していく所存です。
 ここに、あらためて今回の死刑執行に遺憾の意を表明すると共に、今後は死刑執行を停止し死刑制度についての論議が広がり、死刑廃止に向けての取り組みが進められるよう願うものであります。

2017年7月13日

真宗大谷派宗務総長  但馬 弘

 

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