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子ども会訪問

京都教区近江第6組 夏のつどい

設置寺院 京都教区近江第6組

京都教区近江第6組では、2006年度から「真宗子ども講座」の第一次指定を受け、組内2ブロックにおいて「お寺であそべ場」を実施されました。 指定終了後は若手の会が中心となり年1回の「夏のつどい」として継続した取り組みをされておられます。

夏休みも終わりに近づいた8月28日のお昼過ぎ、今回の会所となった本誓寺(滋賀県蒲生郡)に子どもたちが集まり始めました。 境内には大きな樹木が陰をつくり、サルスベリの木には赤や白の花が咲き、そよ風が吹くたびに花びらが舞い落ちて、 参加者を歓迎しているかのように華やかでした。子どもたちは家族の送迎の車から降りると、開会を待ちわびるかのように、 おしゃべりをしたり走り回ったりしています。どの子どもも家から持参した水分補給用の水筒をさげて、まるでピクニックにでも出かけるような 賑やかさがありました。
 本堂の前では数名のスタッフが受付を行っています。事前に参加申し込みのあった50名程の人数が、5つの班に分けられています。 名簿で確認をした後は、一人ひとりに名札が配られますが、この名札がシンプルで安全なもので、白のビニール製のガムテープを10cm程に切り、 油性マジックで名前を書き込み服に貼り付けるだけのものです。また、班分けの目じるしについても、班ごとに別な色のビニール製のヒモを、 20cm程に切って腕に結びつけるだけの簡単なものです。開会までの待ち時間を利用して、そのヒモをリボン結びのようにしたり、 先端を房のように割いたりして、それが一つの遊びのようにもなっています。
 開会に先立ち、スタッフの方から「お勤めで調声をしてみたい人はいますか」との問いかけに、小学校高学年の男の子が「ハイ」と手をあげて、 「それではお願いします」ということになりました。このような対話からも、お勤めに関して「真宗子ども講座」からの継続した流れがあるのだろう、 きっと日常からお寺と子どもたちとのつながりがあるのだろうと感じました。
 開会式が始まると、司会の方が「阿弥陀さまと目を合わせて手を合わせます」と案内されると、賑やかだった子どもたちは静かな面持ちとなり、 堂内も厳かな雰囲気になりました。正信偈のお勤めになってからも、各自が持参した勤行本を真剣な表情で読んでおられました。

開会挨拶の後に、進行の方は参加した子どもたちを温かく迎えるように「今日のレクリエーションは何をして遊びますか?」と尋ねられると、 元気な声で「ハンターごっこ」との答えが返ってきます。昨年に続けての内容だそうで、子どもたちにとっては恒例の行事となっているようです。 昂揚した子どもたちを一旦落ち着かせるようにして「みんなが楽しみにしてくれているハンターごっこですが、楽しく遊ぶために守って欲しいことが ありますので説明をしっかりと聞いてください」と注意を促されました。
 この「ハンターごっこ」はテレビ番組で人気となったゲームとのことで、単純に説明すると「鬼ごっこ」のようなものです。子どもたちは、 黒のスーツとサングラスを身に着けたハンター役のスタッフに捕まらないよう逃げまわります。
 開会式後あらためて、レクリエーションを担当するスタッフから「ハンターごっこ」のルールが説明されます。実際に境内地を散策しながら、 逃げても良い範囲や、注意しなければならない場所の確認をします。入ってはいけない場所には、事前にビニール製のヒモが張られています。 しかし単なるルール説明ではなく、楽しげに散策する様子からは、このヒモが禁止事項を示す役割りというより、逃げる際のコースを演出するような 工夫のようにも思えました。
 ゲーム開始にあたっても、気分を盛りあげるような仕掛けがあります。まず一ヵ所に集合した子どもたちから見える扉の中にハンターが待機しています。 その扉には、5本のヒモが掛けられていますが、実際にはその内の一本しか扉には結びつけられていません。そして班の代表者が順番にヒモを 引っ張ります。掛けられたヒモだけが外れれば、その班の人たちは逃げ始めます。残された班には緊張感が満ちてきます。 ついに扉に結びつけられたヒモを引っ張られると、扉が開いて全員が逃げハンターは追いかけます。
 捕まえられた子どもは、最初にハンターが居た扉の中に集められ、各班の人数が半分くらいになったところで、鐘の合図が鳴ります。 この鐘は「ミッション」とされる指令が発表される合図です。ゲームを一時中断させたところで、進行の方が子どもたちに語りかけられます。 しかしすぐに「ミッション」は発表される訳ではありません。少し休憩の時間も兼ねながら「ミッション」の前段として「班の友だちがいないという人は いますか?」との問いかけがあります。これは何でもない質問のようですが、万が一見あたらない子がいないかを把握する意味合いもあります。
 そして、どのような「ミッション」なのだろうと期待を膨らませておいてから「セミの抜け殻を5つ集めてきたら捕まっている仲間を 助けだすことができます」と発表されます。この言葉を聞いた途端に、子どもたちはハンターから逃げながら真剣に探していました。
 途中、おやつ休憩の時間が設けられ、かき氷が振舞われました。大きな氷を機械にセットして、みるみるうちにかき氷ができあがり、 子どもたちの手に配られていきます。2台の機械の前に並んだ子どもたちは、イチゴ・オレンジ・メロンのシロップを横目に見ながら、 どの味にするか嬉しそうに待っています。

ゆっくりと、おやつ休憩をとった後も「ハンターごっこ」が続けられます。最初に日程を見た時には、お勤めとレクリエーションしかないのに 時間が過ごせるのか不思議だったのですが、他にも「黄金の松ぼっくりと葉っぱを探そう」などのさまざまな「ミッション」を用意することで、 子どもたちは飽きることなく、むしろ時間が足りないといった様子でした。
 休憩を過ぎた頃になると、数名の中学生が部活動の帰りに駆けつけてゲームに合流し、子どもどうしのつながりの輪が広がり更に楽しそうでした。 この中学生の子たちは「真宗子ども講座」を実施していた当時の参加者で、講座終了後も毎年のように参加し、中学生になってからも 係わってくれているそうです。また「真宗子ども講座」で上山した時には、タイムカプセルを埋められ、5年経った来年が開ける年だそうです。 閉会式で、みんなさんと同じように手を合わせながら恩徳讃を斉唱していた、中学生の一人は「来年は中3で受験勉強が大変だけれども、 ぜひタイムカプセルを開けに行きたい」と話されていました。