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宗祖としての親鸞聖人に遇う

宗祖の部屋

(鶴見 晃 教学研究所研究員)

 御影堂にお参りをすると、たまに巻障子がすべて閉められているときがある。これまで何度かそれを見ていたが、その障子に特徴があることを、人に教えられるまで知らなかった。
 それは、本間(内陣の中央部分)と左右の余間部分の障子は、表裏が反対になっていることである。本間にある障子は、障子紙を貼った方が外陣・参詣席側を向き、左右の余間は、逆に障子の骨の方が外陣・参詣席側を向いている。つまり、内陣中央部分は、御真影がある空間を部屋の内側、外陣・参詣席側を部屋の外側と見立てて、障子が誂えてあるのである。その理由をある人が、「これは内陣部分が親鸞聖人のお座敷であることを表していると言われています。ですから障子を開けて聖人のお部屋にお伺いしているのですよ」と教えてくれた。
 そう聞いて何か腑に落ちる感じがした。なるほど、この御堂は、単なる御真影の安置場所ではなく、親鸞聖人が住んでおられるお家に伺って、お座敷の前まで進んで、そして、障子を開けて親鸞聖人にお会いする、そういうすがたを表しているのか,と。
 宗祖のお部屋には、「おのおの十余か国のさかいをこえて」(『歎異抄』第二条・聖典六二六頁)門弟が尋ねてこられた。さまざまな場所からそれぞれ事情を抱えて京に辿りつき、遠くから屋根が見えたとき、彼らはきっと「あそこが聖人のお家だ、やっと着いた」とほっとしたことだろう。そして宗祖のお部屋に通され、「やっとお会いすることができた」と喜んだことだろう。そして宗祖と語り合い、時には一緒に食事もされたにちがいない。人々は宗祖のお部屋に集まり、迎えられ、ひとときを過ごし、そして見送られ、故郷に帰っていったはずである。そして上京途中に病となったが,死ぬのであれば聖人の「みもとにてこそ」(『御消息集』・聖典五八七頁)と病をおして上京し、聖人の「みもと」で亡くなった方もいた。御影堂正面、本間の障子を前にして、そうした宗祖と門弟との交流、そのあたたかい空間に思いをはせ、私もその末席にいる感じがしてうれしくなった。
 と同時に、『歎異抄』の「おのおの十余か国のさかいをこえて」に続く言葉を思い起こした。宗祖は門弟に「身命をかえりみずして、たずねきたらしめたまう御こころざし、ひとえに往生極楽のみちをといきかんがためなり」(同)と語る。あなた方一人ひとり、ここに命を挙げて集まったのは、他でもない、極楽に生まれて往く道を聞くためである、と。宗祖の言葉は、目の前の門弟を超えて、そう私たちにまで語りかけておられる。そのことに思いをいたしたとき、「このうえは、念仏をとりて信じたてまつらんとも、またすてんとも、面々の御はからいなり」(同六二七頁)と、多くの教えを遺してくださった宗祖が「あとは、念仏を信ずるか、捨てるか、あなた方自身のおはからいですよ」と語りかける言葉が響いた。後はあなた方一人ひとりの責任ですよ、と。
(『ともしび』2010年9月号掲載)

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