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宗祖としての親鸞聖人に遇う

思いと願いが声になって

(安藤 義浩 教学研究所助手)

 真宗大谷派仙台教区主催で行われた「3・11東日本大震災・心に刻む集い」に教学研究所のメンバー二名とともに参席した。あの震災から二年と二日たった三月十三日のことである。杜の都・仙台の中心部にある会場の仙台国際センター大ホールは約千人の聴衆でほぼ満席だった。招待席には原発事故で全町民が避難を余儀なくされ、現在は福島県いわき市の仮設住宅で過ごす多くの方々が座っていた。
 嘆仏偈が厳粛に勤められ、集いは始まった。震災に遭い、震災問題と向き合う二人の僧侶が登壇し、いまの思いを「私は聞く」という形で吐露した。

  私は聞く、あなたの悲しみが分からないから。
  私は聞く、お前には分からないという慟哭を。

この最初の二句には、これまでの支援がいかに精神的な重圧のなかでなされてきたか、いかに苦労の多いものであったかが綴られていた。さらに「聞く」対象は被災者の叫び、汚染された大地の呻き、素朴であるがゆえに胸が痛まざるをえない子供の願いなどへと広がっていった。そして「今に生きる。今に生きる。南無阿弥陀仏」で閉じられた。
 次にさまざまな立場にある七人がリレートークの方式で思いを語った。当時実家を離れて高校生活する自分に「あなたはそこにいなさい」とメールを残したのを最後に津波で流された母親との思い出を語る大学生、「申し訳ないという気持ちでやっている」「支援する者・される者の関係をこえて、人と人という関係ができてきた」と語る被災地で支援活動する人たち、「本当に申し訳ない」と涙する甲状腺検査の数値が思わしくない子供を持つ母親、「なぜ検問を受けて一時帰宅しなければならないのか」とやるせない心情を述べる原発事故のために故郷を離れて生活をする人などの声が会場に響きわたった。
 最後に被災地で支援ライブを行っている二組の歌い手によるライブがあった。「三百六十五歩のマーチ」「上を向いて歩こう」など十曲以上が歌われ、会場は一体感で包まれた。「自分たちはなにかを言うよりも、歌で思いを伝えたい」。そう語る男性ボーカルの声は、支援のあり方のヒントを教えてくれているようだった。それは「自分のフィールドで自分のできることをする」ということである。したがって支援のあり方は人それぞれであり、被災地に出向く形もあれば出向かない形もあるのである。
 翌日、私たちは石巻市の大川小学校に向かった。津波で全校児童百八人のうち七十四人が死亡・行方不明となった小学校である。変わりはてた校舎の横には慰霊碑が建てられ、多くの人がお参りに来ていた。「おとうさんおかあさん、もっとみんなといっしょにいたかったよ」。そんなたくさんの声なき声がこだましているかのようだった。
 二年たっても震災・原発問題はまだまだ終わっていない、風化させてはならない。このことを身をもって再確認した三日間だった。

(『ともしび』2013年5月号掲載)

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