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宗祖としての親鸞聖人に遇う

師友

(小田 朋隆 教学研究所所員)

 一年前のある日の早朝、ふいに鳴った電話に出ると、恩師・加来玄雄師ご逝去の報。瞬間、「あぁ、申し訳ありませんでした――。――有り難うございました」。お内仏に座り、「南無阿弥陀仏」と申していました。
 浄土真宗にご縁をいただいた者としてどう歩むのか、十数年のあいだ曖昧に過ごしてきた私に、いち聞法者のすがたをもって、生きる「方向」を示してくださった加来先生。思えば、先生に会うように勧めてくださったのは、宗門の何人かの先輩方でした。また、月に一回は聞法の場をもつように勧めてくださったのも先輩と友人です。こうした多くのうながしを受けながら聞き流し、動かずにいた私も、ある時ついに壁にぶつかり、すがる思いで先生のお寺を訪ねたのでした。
 ほぼ初対面で、突然お邪魔したにもかかわらず、先生ご夫妻は、たいへん温かく迎えてくださいました。以来、毎月のように数十回お伺いし、先生が出会われた、まさしく「宝もの」のようなお話を聞かせていただきました。
 鈴木大拙師、曽我量深師、金子大榮師、安田理深師、宮谷法含師、谷内正順師、訓覇信雄師とのこと。真人社、相応学舎、七百回御遠忌、同朋会運動、教団問題について――。法蔵菩薩の志願が現在するお話に、時の経つのも忘れ、長いときには四時間以上もお相手をしてくださいました。ただ、やりとりのなかで、なにか正解や結論ばかりを求める私にたいして、先生は決して答えを与えてはくださいませんでした。そのかわり、いつも静かに私の受けとめを聞いてくださり、辞して発つ際には、毎回、「せっかく来ていただいて、特になにも話せんけども、また来てください」と、雨の日であっても必ず外まで見送りに出てくださったのです。私は、先生のすがたに「僧伽」の風光を感じながら、自分の甘さや傲慢さというものを、繰り返し、照らし出されたように思います。
 先生との出会いは、私に、「師友」ということを問い直させるものでした。そして、あらためて、親鸞聖人にとって法然上人との出会いはどういうことであったのか、学ぶ機会を与えてくださいました。

ああ、弘誓の強縁、多生にも値いがたく、真実の浄信、億劫にも獲がたし。(聖典一四九頁)
これ専念正業の徳なり、これ決定往生の徴なり。仍って悲喜の涙を抑えて由来の縁を註す。(聖典四〇〇頁)

『教行信証』

 ひとりの人間の生涯を貫き、決して薄れたり消えたりすることのない出会いとは、そこに、時を超え、あらゆる人々に通ずる、ほんとうに確かなものが象徴されているのだと思います。親鸞聖人にとって法然上人との出会いは、それを単に個人の体験として留めおけないほどの感動であり、仏道の灯火であったと思われます。
 「人間は結合せぬ人間があって結合するのでなく、本来結合的である」「人を人とすることによって、自分も人になる」(安田理深師)。否応なく他者とかかわりあって歩む人生。出会いの数ではなく、その中身が、「師友」の意義から、きょうも問いかけられています。

(『ともしび』2014年12月号掲載)

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