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両堂再建が生み出した聞法施設

(松金 直美 教学研究所助手)

 昨年、真宗本廟(東本願寺)両堂等御修復完了奉告法要にあわせて開催された、四度に渡る火災後の両堂再建の歴史を紹介する展示を担当した。
 一度目の両堂再建である寛政度再建が成就した一八〇一(享和元)年、諸国の「門徒中」宛に、黒衣の乗如上人御影が授与された。寺院や道場でなく、門徒中へ宛てられた唯一の機会とみられる。
 授与された地域では、御影を巡回させる仏事が営まれた。現代にまで二百年以上継承されている行事として、能登(石川県)のゴソッキョウ(御崇敬)が有名であり、その際に掲げられる御影は普段、能登教務所(七尾市)で保管されている。
 ところが展示を担当するに際して、能登にはもう一幅、黒衣の乗如上人御影があると知った。それは輪島市の「六和精舎」という施設にあるという。能登にある二幅の黒衣の御影や六和精舎について、疑問と興味がわき起こり、展示で借用する際、同行を切望し実現した。
 四十四畳ある六和精舎の内陣に安置される法宝物のうち、厳如上人寿像は一八八八(明治二十一)年七月二十二日付で、本尊の方便法身尊形(阿弥陀如来絵像)は一九三三(昭和八)年六月十三日付で授与されたものである。それらの裏書から、両堂再建と法義繁盛を目的として一八八五(明治十八)年から始まった相続講における当該地域の事務取扱所が前身で、その後、教務所支所としての機能を果たすようになっていった施設と分かる。ご門徒は今も「扱所」と呼んでいるという。
 相続講事務取扱所や教務所支所の時期に法宝物が授与されていることは、その段階で、法要・聞法を行う場でもあったことになる。法宝物授与を申請した僧侶や門徒の側は、地域における仏事を勤める場とすることを求めた。一方の法宝物を授与した本山の側は、それを安置する先が真宗の教えを育む場として開かれることを願っただろう。
 内陣の上部には、『無量寿経』にある「修六和敬」(聖典五六頁)と書かれた扁額が掲げられている。菩薩が衆生と互いに和し敬い合って六つの行を同じく修する、つまり菩薩の用きによって我々衆生が仏法に出遇う聴聞の場となるよう願われ「六和精舎」と名づけられたのではなかろうか。
 近世に本山の再建事業へたずさわった僧侶・門徒は、地域別に設置された「御小屋」(のちの「詰所」)と呼ばれた宿泊施設に滞在した。寛政度再建時、能登国の御小屋として「奥能州御小屋」「能州御小屋」の二つがあったようであり、それが六和精舎に保管されている奥能登二郡宛と能登教務所保管の口能登・中能登の二郡に宛てた二幅が能登国へ授与されたことに結びつくと考えられる。つまり本山は、再建事業へ従事するために駆けつけ地域別の御小屋に滞在した門徒の求めに応じて各国へ宛てて授与したのである。
 六和精舎のみならず、両堂再建事業を機縁として、仏法聴聞の場が各地に開かれてきた。このような歴史に向き合うと、様々な方々の願いを受けて、今、私たちはお念仏の教えに出遇わせていただいていると実感する。

(『ともしび』2018年2月号掲載)

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