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法宝物

(上場 顕雄 教学研究所嘱託研究員)

 法宝物の「宝物」はいうまでもなく珍重されるものという意味である。「法」は仏法の法であり、仏法の宝物を「法宝物」といわれる。それは法義を相続していく本尊や名号、さらには高僧や本願寺歴代の絵像などが含まれる。根本道場である本堂に荘厳される絵像ともいえよう。真宗教団では当初は道場形態が一般的であり、名号あるいは方便法身尊像(阿弥陀如来絵像)を本尊として安置していた。
 幕藩体制以降、寺号および木仏本尊を本山より授与され、宗祖絵像と余間に太子絵像・七高僧絵像を安置する寺院本堂の荘厳となった。それは現在もほぼ同じ形式となっている。
 ところで、近年、一般家庭に安置されていたものだけでなく、寺院に安置されていたものと推察される名号や絵像、仏具などが、インターネットのオークションで売られている。いわば骨董品として扱われているのである。それを処分された寺院の背景には、法人解散(廃寺)や寺院護持の経済的理由など、やむをえないさまざまな事情があったであろうと推測する。ネット利用の時代の変化なのだろうか。
 真宗寺院所蔵のそれらは、廃寺になる場合には本山に返却するのが本来であろう。本山から道場・普通寺院へ授与されたものである。また各手次寺の門徒の懇念や「檀越」としての法義相続の熱意があったはずであり、浄土の荘厳として安置されてきたのである。
 本堂内陣で長い間、荘厳され給仕されてきた掛軸などは、延べ何千人、何万人の門徒・参詣者が手を掌わせ崇敬してきた歴史や重みがある。単なる古い品物ではない。
 たとえば、宗祖が「名僧」ではなく、「高僧」と仰がれたインド・中国・日本の念仏相承の七高僧の連座像を本堂余間に安置し礼拝する。そこには宗祖が明確にされ、讃嘆された先師への畏敬の念がこめられていよう。僧俗とわず門徒は日常的に「正信偈」をお勤めする。それは蓮如上人以来、五百年の歴史をもっている。そこに七高僧が順次記され、最後に「唯可信心高僧説」と唱える。
 それらの荘厳と共に寺院生活をしてきた寺族が品物として処分する心境はいかがなものであろうか。それ以前に真宗人として、宗祖の門徒として「法宝物」に給仕してきたことが何であったかが問われよう。教義を単に知識として習得してきたのではないだろうか。教えが肌身にしみた日暮らしにしたいものである。
 しかしながら、寺院をとりまく社会の現況は、過疎や過密化、家族形態・構成の変化、少子高齢化などによって急速に従来と異なってきている。それによって寺院の存立基盤が揺らいできている実態がある。次世代へいかに法義相続をしていくかが課題ともいえよう。
 それらの背景が法宝物を骨董品として処分される起因になっている現状があるともいえるのではないだろうか。残念で嘆かわしいことである。あらためて、真宗の教えに依拠した生活・日常を考えたいものである。

(『ともしび』2018年3月号掲載)

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