

日本全国のご門徒の方々や各地で開かれている同朋の会を紹介します。
福井教区 第7組
淨覺寺門徒

福井県あわら市吉崎に暮らす末富攻さんは、29歳で父の後を継いで郵便局長となり、長年郵便局で働いてきた。定年後は地域のために力を尽くし、地元住民でつくる一般社団法人「蓮如の里吉崎」の理事長に就任。吉崎を案内する歴史ガイドとして活動している。
そんな末富さんには、郵便局長を辞めた後、ふと立ち止まる瞬間があったという。「自分は、これからどう生きるのか」。その問いこそが、浄土真宗の教えを学ぶきっかけとなった。
もともと父は真宗門徒。お寺との関わりは毎月の月参り程度で、深いものではなかった。ところが定年を過ぎた頃、吉崎別院で熱心な門徒たちの姿に出会った。「私の目には、皆さんが心の底から念仏を称えていると映った。自分はそんなふうにはできない」。そこに一体、何があるのか。さらなる聞法の歩みが始まった。
縁のあった先達に教えを請い、聞法会にも足を運んだが、「順序立てて教えてくれるところはなかった」。立ちすくんでいたところへ、金沢真宗学院の募集案内が舞い込む。同じ時期に教区門徒会の副会長に推薦された。浄土真宗を知らぬまま、門徒会に関わることへの後ろめたさもあり、「役を引き受けた以上、学ばないと」と決意。聴講生として入学を決めた。
昨年5月から月の半分、車で学院に通っている。妻には「どうしてそこまでするの」と半分あきれられながらも支えてもらっている。学院で特に心に残ったのは「宗教とは、その人の生き方を問うものだ」という言葉だった。65歳までは仕事、75歳までは地域活動に走り抜いた。しかし、残された人生、何をよりどころに歩むのか。その答えを求めて、「わからんまま」という学院の授業に耳を傾け続けている。
現在、末富さんは聞法の場を広げたいと考えている。組内の門徒に声をかけ、吉崎のお講に誘うつもりだ。「浄土真宗の教えを、もっと皆で味わいたい」。76歳にしてなお、新たな歩みを進める末富さんの姿そのものが、「宗教は生き方を問う」という言葉を体現しているように見えた。

金沢真宗学院にて聴講する末富さん
福井教区通信員 藤 共生