

日本全国のご門徒の方々や各地で開かれている同朋の会を紹介します。
京都教区 石東組
淨蓮寺門徒

「「早うから、お寺へ参れ。教えに遇え」と、母が生前言いよったわけです」。
和やかな表情とあたたかい言葉で話されたのは、壽老長吉郎さん。
壽老さんはこれまで、お寺の総代をはじめ、石東組や京都教区などで宗門の数々の役を担われ、2022年真宗本廟御正忌報恩講では門徒感話にも立たれた経験を持つ。 当時の様子を尋ねたところ、「恥ずかしいのぉ」と誠実さがにじみ出た。
石東組では、み教えに自身の姿をたずねていくことを願い、「真宗門徒の集い」を毎年開催している。ある年、その集いで講師から問いかけられた「あなたの善知識(師)は誰ですか」という言葉が転機になったという。それまでは考えたこともなかったが、仏縁をいただくきっかけとなったのは母の言葉だと思い当たったのだそうだ。1909年生まれのお母さまは、地域で開かれる東西両派の法座にお参りされ、その日のうちに法話をノートにしたためながら、深められていたという。壽老さんは現在もそのノートを大切にされている。
「年老いた母が口を酸っぱくして「お寺へ参りんさいよ。教えに遇わにゃ」と言っていた言葉が、その時の講師からの問いかけをとおして、私の胸に届けられたように思います。思えば、私にとっての善知識は、この母であったと気づかせてもらいました」と柔らかく微笑まれた。
お手次の淨蓮寺は、山あいの谷間で、ご門徒や有縁の方々を待つように静かに佇んでいる。
「教えに遇えと言われても、一回お寺に行っただけではわからん。続けて行かんとすぐ忘れる。何回も身を運んで、少しずつ教えが身に染みていく。わしらぁ、未だに駆け出しですよ」と継続の大切さを語られた。
壽老さんがお住まいの、島根県との県境に間近い広島県芸北の地は、長い時間をかけ、仏法が根付き土徳となっている。先人の生活を相続し、念仏の教えに照らされ聞きたずねるお姿から、私自身の現在に向き合うご縁をいただいた。

2022年真宗本廟御正忌報恩講にて門徒感話に立たれる壽老さん
京都教区通信員 堅田 一葉