機関紙『同朋新聞』

日本全国のご門徒の方々や各地で開かれている同朋の会を紹介します。

忙しい日常の中で

  • 名古屋教区 第20組
    圓福寺門徒

    • 稲川 邦彦さん
    • (67歳)

    • 稲川 智子さん
    • (66歳)

 

 

名古屋別院の近く、名古屋市中区にある居酒屋「酒食処もんや」。1999年にお店を始め、現在の場所に店を構えられてから17年。別院関係のお客さんも多く来られるこのお店を、稲川(いながわ)邦彦(くにひこ)さんと(とも)()さんは夫婦で営まれている。

 

お二人は、邦彦さんの母親が亡くなるまでは、お寺のこと、仏事のことはよくわからなかったという。「法事の際に集まった親戚たちは住職にあわせて「(しょう)(しん)()」を勤める中、自分たちは読めず、ただじっとしているしかなかった」と語られた。そこから毎月のお勤めや年忌法要を勤めていくうちに読めるようになってきた。そして2017年、お手次の圓福寺で宗祖親鸞聖人七百五十回()(えん)()法要が勤まる際に、ともにお勤めをしないかと、お店に来られた副住職と前坊守に誘われた。法要では、普段のお勤めより重たい「(しん)四句目(しくめ)(さげ)」で「正信偈」を勤めるので、最初はできるか不安に思われたが、そこから月に一回のお寺での稽古と、自宅でDVDを見ながらの練習を一年続け、無事にお勤めができた。そしてそのことをきっかけに、お寺の行事のお手伝いや聞法会(もんぽうかい)に参加されるようになったという。「仏教は難しくて、聞法会に参加した時はそうなのかなと思うけれど、次の月になったらさっぱりわからなくなってる」と邦彦さんは笑顔で話される。

 

普段の生活を伺うと、朝は市場で買い出し、昼と夜は営業、定休日は基本的に日曜日だけという非常に忙しい生活をされている。そんな中でもお寺で、月1回の同朋の会などに足を運び、さらに本山の報恩講への団体参拝や、奉仕団にも参加されている。

 

智子さんは、「自宅はお店から遠く、忙しくて不在にすることが多いので、地元でのお付き合いが少ないんです。だから、お寺に行くといろんな方に会えて、それぞれ違う考え方を聞かせてもらえることがありがたいですし、おもしろいですね」とうれしそうに語られた。

 

人と人との出あいの場としてのお寺の役割を感じさせられるとともに、ご多忙な中でも聞法生活を続けられる稲川さんご夫婦の姿勢に、頭のさがる思いがした。

 

 

お手次寺の前坊守が作られた布絵。店内に飾られている。

 

名古屋教区通信員 ひろ しょう

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