このたび、国の文化審議会の答申により「本願寺水道水源池」が、琵琶湖疏水の関連施設としてインクラインや南禅寺水路閣などとともに「重要文化財」に指定されることとなりました。
この「本願寺水道水源池」は、琵琶湖疏水の水を防火用水として東本願寺境内まで引き入れた「本願寺水道」(1897(明治30)年完成)の出発点であり、琵琶湖疏水から取水した水を貯水する自然石で作られた施設です。
「本願寺水道」は、江戸時代に四度もの火災にあいながらも、そのたびごとに全国のご門徒のご懇念により再建された真宗本廟を火災から守るため、明治期の両堂再建に際して、東本願寺が独力で敷設した全長4.6kmの防火用の水道で、水源池と境内との高低差約44mを活かした自然水圧で御影堂の屋根まで放水銃やドレンチャー設備を通して水を噴き上げることができる、伝統的な寺社仏閣の中では先駆的な仕組みをもっていました。
更に、防火用水としてだけでなく、御影堂門前の噴水や、東本願寺周りのお堀、渉成園などにも給水されましたが、老朽化が進み、2008年に送水が停止されています。
なお、今回指定される見通しとなった琵琶湖疏水関連施設は、「本願寺水道水源池」のほか、インクラインや南禅寺水路閣など24所になります。
●琵琶湖疏水施設 国宝・重要文化財への指定について(※京都市上下水道局HPに遷移します)