
-開催にあたって-
このたびの令和6年能登半島地震において甚大な被害のあった能登には、約350ヵ寺の真宗大谷派寺院が存在します。
浄土真宗の「土徳」とも表現される信仰生活に裏打ちされた能登の人々の生活や文化に思いを馳せ、能登の風土や伝統が震災からの復興を経て、後世に確かに手渡されることを願いながら、被災地と真宗本廟(東本願寺)のつながりを再確認する場として本事業を企画いたしました。
思い起こせば、真宗本廟(東本願寺)は、焼失と信心による再建の歴史を繰り返してきました。そのような中、能登をはじめとする北陸のご門徒は、江戸時代から明治にかけての4度の再建事業にあたって京都に駆けつけ、全国のご門徒と共に両堂の再建事業に全力を注いでくださいました。
このように、能登のご門徒がこれまで大切に思ってこられた真宗本廟(東本願寺)において、今度は東本願寺が主体となって能登へ思いを馳せ、能登の復興を心から願い、今後も継続的な被災地支援活動が行われるよう、本年の真宗本廟報恩講において、「東本願寺能登半島地震復興応援ひろば」をはじめとする復興支援事業を実施します。
▼開催内容▼
ドキュメンタリー映画上映及びシンポジウム ・ 報恩講能登震災ブース ・ 能登半島地震復興応援ひろば
◆上映会及びシンポジウム(22日)並びに頼光和弘氏「写真展」
度重なる地震が発生した能登半島。そこに暮らす人々を追いかけたドキュメンタリー映画の上映を通して、今まさに苦悩を抱えながら復興に向かって歩んでおられる能登の方々に東本願寺から想いを馳せます。
上映に合わせて開催するシンポジウムでは、映画以降の復興の歩みを来場者と共有し、スクリーンに描かれた祭りに代表される能登の「文化」の復興を切り口に、同じく能登の人々の生活の礎となっている真宗文化の復興、寺院やお講といった地域コミュニティの今後について考える機縁といたします。
また、石川県珠洲市大谷町出身の報道写真家・頼光和弘氏による、能登半島地震と豪雨被害を被った能登の今を伝える写真展を、視聴覚ホール・ホワイエにて同時開催します。
【日時】
〈映画上映会〉11月22日(土) 15:30~18:00 ※映画上映に引き続きシンポジウム
〈写真展〉11月22日(土)~28日(金) 9:00~16:00
【会場】
〈映画上映会〉真宗本廟視聴覚ホール
〈写真展〉参拝接待所仏間 (※22日のみ真宗本廟視聴覚ホール・ホワイエ)
【シンポジウム登壇者】
有馬 尚史氏
映画監督
瓶子 明人氏
出演者
瓶子 莉緒氏
出演者
木越 祐馨氏
能登教区第5組光琳寺住職/加能地域史研究会代表委員
◆故郷を写すということ
報道写真家 頼光和弘(珠洲市大谷町出身)氏のメッセージ
あの悪夢のような令和6年元日の能登半島地震から、1年10カ月が過ぎました。生まれ育った珠洲市大谷町の実家は一階がつぶれ全壊しましたが、幸いにも家族は奇跡的に無事でした。近隣の住宅はほとんどが倒壊し、子供のころからお世話になった方など6名が犠牲となりました。
半年が過ぎ、夏の終わりには自宅の解体が終わりました。更地になった自宅跡を見ていると、家が無くなった寂しさよりも、「ここからだ」という前向きな気持ちのほうが大きかったように感じます。母親は「今度は光のいっぱい入る明るい家がいいね」と話し、笑顔も見せていました。そんなふうに気持ちが前を向き始めた矢先、9月に奥能登地方を記録的豪雨が襲いました。自宅の跡地には胸ほどの高さまで土砂が堆積しました。土の中には、近所の男性が被災した自宅から何とか運び出して倉庫で大切に保管していた仏壇の破片が散らばっていました。男性は、地震で長年連れ添った最愛の妻の命を奪われ、豪雨で家財のほとんどを失いました。
自然と共に生き、つつましい生活をしてきた能登の人々がいったい何をしたというのでしょう。被災者は皆、相次ぐ被災に「心が折れた」と話し、気力を失いました。
能登には真宗大谷派の寺院が多くあります。大谷町にも3つの寺がありますが、すべて被災しました。真宗大谷派寺院の住職お一人が地震の犠牲になりました。門徒のみならず町の人たちから慕われる人柄で、誰もがその死を悔やみました。豪雨災害では真宗大谷派寺院の坊守お一人が犠牲となりました。再びの悲劇に住民たちは言葉を失いました。二人の僧侶の犠牲…故郷は今、心のよりどころを失ったまま時だけが過ぎています。
そんな中、今年の大型連休に金沢市内で旧知のカメラマンたちと合同開催した写真展がきっかけで、一人のご住職に出会いました。珠洲市宝立町鵜飼地区にある真宗大谷派・往還寺の松下文映住職です。同地区は地震と津波で多くの人々が犠牲となった、被害の特に大きかった場所です。
建物の解体が進んだ今は更地が広がっていますが、殺風景になってしまった町の中にポツンとプレハブの建物が一軒建っています。それが今の往還寺です。
書類がうずたかく積み上げられた室内の一番奥に仏像が安置されています。金色に輝く仏像は倒壊した寺から出され、京都で修復されたそうです。門徒の住民たちが訪ねてくると、松下住職がにこにこと迎えてくれます。すると、狭い室内に笑い声が響き、ぬくもりが広がります。
“あの日”の「生」と「死」が混在したままの被災地ですが、そこには間違いなく「生」の温かさがあります。
後ろ髪をひかれる思いで故郷をやむなく離れた人々、故郷に残った人…。一人ひとりに苦悩があります。先に紹介した大谷町の男性は、仮設住宅の押し入れを仏壇代わりにして妻の遺影を飾り、毎日お経を唱え、語り掛けています。ひとり暮らしの寂しさの中、慣れない家事をこなしています。自宅の跡地に小さな小屋を建て、わずかに残った妻の遺品を大切に保管しています。
生きることをあきらめない。能登の人々は、負けません。そんな強く生きる人たちの姿を写し、伝える。写真を撮ることで、大好きな故郷への恩返しを、これからも続けていこうと思います。一枚の写真が、能登の復興につながる力になると信じて...。
令和7年11月
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【協力金】
お一人1,000円 ※協力金は入場時にお預かりし、全額「真宗大谷派 令和6年能登半島地震救援金」として使わせていただきます。
主 催:真宗大谷派(東本願寺)
企画協力:関西珠洲会
後 援:関西石川県人会連合会、京都石川県人会
◆報恩講 能登震災ブース
令和6年能登半島地震から約2年が経とうとする今、被害状況や現状の写真パネル展示を行います。
また、被災生活の紹介や出会った教えや人、言葉等をとおして、今後想定される災害への備えの必要性をお伝えします。
【期間】
11月21日(金)~28日(金) 9:00~16:00(※28日は13:00まで)
【会場】
境内白洲テント
【主な展示・企画内容】
●被災状況と避難所での生活、現在の能登等の紹介
●非常用トイレの実物展示
●防災食や炊き出しの基礎知識と展示
◆能登半島地震復興応援ひろば
昨年に続いて、能登の復興を応援する物産市をお東さん広場で開催します。
【期間】
11月22日(土)~24日(月・祝) 11:00~17:00(※24日は16時まで)
【会場】
お東さん広場
【出店一覧】
| 店舗名 | 商品名 | 住所・ウェブサイト |
|---|---|---|
| 中島忠平漆器店 |
*輪島塗 (箸1,000円~3,000円、器・アクセサリー20,000~50,000円)など |
石川県輪島市鳳至町堂金田4-15 n-chubei.com |
| 輪島工房長屋 | *輪島サイダー 250円 *海産物 500円~ *My箸作り体験(本漆塗箸の絵付け体験) 1膳2,000円 など |
石川県輪島市河井町4-66-1 wajima-koubou.com |
| お茶の油谷七尾店 | *茶葉各種 650円~
*煎りたて棒ほうじ茶 500円 *復興応援セット(お抹茶付) 1,500円~ など |
石川県羽咋郡宝達志水町荻市チ52 cha-aburatani.com |
| 七海屋 | *能登牡蛎焼き 1個 350円(3個1000円) *サザエ焼き 1個400円 *地ビール 1杯700円 *能登の地酒 カップ1杯400~500円 など |
石川県鳳珠郡穴水町字川島ヨ-26-3 situmiya.com |
| 能西水産 |
*味噌味醂 (さば650円・さわら700円・赤魚650円・銀だら1,200円) *いしる干し (あじ650円・赤ガレイ650円・するめいか1,200円・のどぐろ3,200円) など |
石川県羽咋郡志賀町西海千ノ浦ト36-1 nousai-suisan.com |
| Fucco【鵬学園高校×梅屋常五郎】 | *Fucco(和菓子) 1,080円 | 石川県七尾市天神川原町ハ32番地 fuccoproject.studio.site |
|
*カニ汁 500円 *焼きそば 700円 *イカ焼き 1,000円 など |
石川県鹿島郡中能登町小田中コ-5-8 |
|
| 能登糀屋 髙澤 |
*能登十三歩糀味噌(750gカップ入) 1,000円 *鰤かぶら寿し(250g入) 1,800円 *大根寿し(250g入) 1,300円 *甘酒 濃厚(250g入) 750円 など |
石川県羽咋市下曽祢町ノの部50番地 miso-takazawa.jp |
| 輪島塗リユース販売 |
*リユースの輪島塗漆器(お椀) *輪島朝市の珍味・塩 など 500円~3,000円 |
石川県輪島市町野町川西ロー241 |
| オープンカフェ木の音 |
*カニ弁当 1,500円 *タコス丼 1,000円 *どて焼き丼 1,000円 *能登豚汁 600円~700円 など |
石川県輪島市町野町金蔵オ部123(慶願寺) |
| カニカマのスギヨ |
*香り箱極 500円 *うな蒲ちゃん 500円 *がんばろう能登セット 1,000円 *ビタミンちくわ磯辺揚げ 300円 など |
石川県七尾市西三階町10号4−1 sugiyo.co.jp |

【救援金口座】郵便振替口座番号 00920-3-203053
【加入者名】真宗大谷派
※通信欄に「令和6年能登半島地震」とご記載ください。
皆様からの温かいご支援をお願い申し上げます。
真宗本廟境内各所に救援金箱を設置しており、報恩講期間中は、境内白洲において職員が勧募いたしておりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。